佐渡旅行、と聞いてまず頭に浮かんだのは「佐渡金山」。
江戸幕府を財政面で支え、水戸黄門やら暴れん坊将軍やらでは悪代官が金を横流ししてとっちめられる定番スポットです。
しかし、これからの佐渡金山は違います。2010年に世界遺産の暫定リスト入りし、あちらこちらと整備が進んでおり、観光にかける地元や新潟県の気合も十分。
マイクラユーザー感動のスポット
そして今回初訪問して気がついてしまいました。佐渡金山は、世界的人気ゲーム「マインクラフト」の聖地になりうると!
マインクラフト(マイクラ)といえば地面を掘り進み、石炭や鉄鉱石を手に入れるのが序盤のセオリー。さらに地中深く潜り、廃坑を探し当てたり金やダイヤを掘り当てたりするのがゲームの楽しみの一つになっています。線路設置してトロッコ走らせてね。
そう、佐渡金山はリアル廃坑なのです!
マイクラは小学生に大人気のため、人気ユーチューバーはこぞって「マイクラ実況動画」をアップしているというわけ。
先日も幕張メッセの「次世代ワールドホビーフェア」に行ったらまあマイクラブースの白熱ぶり。
佐渡金山を小学校の修学旅行コースにしたら子供たち狂喜乱舞ですよ。
そもそも「廃坑」は子供にとってゲームの世界の中のものなわけで、佐渡金山に来ればリアルトロッコはあるわ、
金は掘ってるわ、
テンション上がること間違い無し!
というかまあ、39歳のオッサンのテンションが上りまくったんですけどね。超楽しかった。
そんな佐渡金山をじっくりご紹介してまいりましょう。
佐渡金山へのアクセス
佐渡金山は両津港から約30km。車で1時間くらいです。このへんですね。
巡る鉱山によって、難易度の違うコースが用意されています。
まずは一番お手軽な江戸金山絵巻コース「宗太夫坑(そうだゆうこう)」。所要時間30分で、いわゆる時代劇イメージの「金山」が見られます。
そして明治官営鉱山コース「道遊坑(どうゆうこう)」。所要時間は40分。外国の掘削技術を取り入れ近代化していく過程を学べます。掘削工具なども展示されています。
2017年春オープン予定の暗闇廃坑探検コース「無名異坑(むみょういこう)」、前日までの要予約でガイドさんがついてくれる「世界遺産ツアー」に、江戸初期に開削された坑道を探検するガイド付き山師ツアーと盛りだくさん。
今日はお得に宗太夫坑と道遊坑を回れる「2坑道周遊」コースを見学しましょう。400円も安くなるよ。
金色に輝く入場券を渡され、坑道へGO!
入り口は1つですが、降りていく坑道が違います。
坑道は天然の冷蔵庫。寒いから気をつけてね。
では江戸時代の宗太夫坑から探検開始!
近代的なトンネルを進みながら歴史を学んでいくと…。
江戸時代!
おおお!5度!
地下水を手動で汲み上げていたのね。紀元1世紀のアルキメデスポンプとは。
掘った坑道を木で補強する職人。岩盤が固くてよかったね佐渡。
おおおおー。めっちゃ坑道。かっこええ。マイクラのアレですよ。
空気を送るのも手動。酸欠になるってわかってたのね昔の人も。
でも洞窟の中でタバコ吸っちゃうwww。喫煙者ってのは昔も今もアレなんでしょうか。
金脈を掘り進めて海面下まで行っちゃったから、掘削は水との戦いだったそうな。金山て佐渡に島流しになった罪人が掘ってたんだと思ってたけど、そんなことなくて、人手不足になった江戸後期にやっと罪人投入ってなったのね。知らなかったわー。お給料良かったんだ。
人海戦術ってすげえなあ。
400年前の人が掘った穴。どんな思いで岩を砕いていたのでしょうか。
山の中に延々と掘られているトンネル。金の魔力ってすごいなあ。人の本質は昔から変わらないw
ぷはーっ。30分のコースを経て地上に戻ってきました。この時点でだいぶ金を掘りたくなっています。
トイレに行くもよし、自販機でコーヒーを飲むもよし。一息ついて次は近代化された「道遊坑」へ向かいましょう。結構歩くからハイヒールとかダメよ。
日本の近代化を肌で感じる「道遊坑」
入り口からもうアーチが鉄ですよ。産業革命ですよ。
宗太夫坑に比べて、道遊坑は「社会科見学」感があります。
いつの世も技術革新が仕事を変えていくんですね。コツコツ手で掘っていた250年を、火薬でドーーン!とやっちゃうわけですから。ちょうどダイナマイトが発明されたのもこの頃。
たまらない廃坑感。宗太夫坑より道遊坑のほうがさらに「マイクラ度」高し。
出ましたトロッコ。排ガス出せないので電動ですよ。
めっちゃカッコイイ…。
カツーン、カツーン、とトンネルを進んでいきます。
ファッ!?外に出た!
おおー、当時の機材がそのまんま見られる!
採掘機材も展示されてます。男の子は間違いなく楽しいやつ。
作業員のヘッドランプ用バッテリー充電器。メンテしてあって今も動くそうです。すげえなおい。
そんなバッテリーを体験できるですって!?
川口浩探検隊になった気分。うえ~い。
こちらが鉱山の図面。400年弱で人は蟻を超えたのでしょうか。
佐渡金山名物の「道遊の割戸」のビューポイントもあります。金脈があったため、山を真っ二つにして掘っていったという、まさに根性と欲望のシンボルです。小学校の学芸会で見た「半日村」を思い出しました。記念撮影はこちらでどうぞ。
ここをトロッコが毎日往復していたんですね。
見下ろせば粗砕場。たまらない廃墟感があります。
今回一番驚いたのは、佐渡金山が平成元年まで掘られていたということ。
平成元年(1989年)といえばCOCOやribbonのデビュー年。最近じゃないですか。淋しい熱帯魚がレコ大ですよ。
佐渡金山って、江戸時代のものだと思っていましたし、日中戦争から太平洋戦争へ向かう間の乱獲でめちゃくちゃになったとか、銀も銅も採れたとか、まあ知らないことばかり。百聞は一見にしかずとはまさにこのことですねえ…。
2コースセットで70分。いい運動にもなりました。佐渡に行くなら欠かせないスポットです。
廃墟マニア垂涎のスポット「北沢浮遊選鉱場」
そしてさらに、世界遺産コースに入っている、「北沢浮遊選鉱場(きたざわふゆうせんこうば)」という施設が2キロ先にあります。
この巨大な廃墟がむちゃくちゃカッコよくて、ブラタモリでタモさんが訪れたときには「ラピュタすぎる」とネットがざわついたほど。大人のみんなはぜひこちらにも足を運んでもらいたいので、別途レポートしますね。
一枚チラ見せ。高まるでしょw
佐渡金山は年中無休
営業時間:4月~10月 / 8:00~17:30
11月~3月 / 8:30~17:00
年中無休
*終業30分前にはご入場下さいとのこと。
詳しくは公式サイトをチェック!→史跡佐渡金山