福しんのカウンターが好きだ

コラム
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福しんのカウンターが好きだ。

都内33店舗だけのラーメンチェーンなので、関東民でも知らない人は多いと思うが、福しんのある街はいい街だと言われるくらいだ。

福しんのカウンターには、おじさんが座る。お姉さんも座らなくはないが、ほとんどがおじさんとおじいさんだ。

なぜ福しんのカウンターが好きなのかというと、福しんのカウンターは全員が他人だからだ。

ラーメンを頼もうが、チャーハンを頼もうが、餃子と生ビールを頼もうが、誰も何も気にしない。

誰と目を合わせることもなく、それぞれが孤独を楽しんでいる。明日この中の誰かが死のうとも、誰にも知られることはない。

どこにも居場所がなくても、福しんのカウンターには座れる。独りのために作られているからだ。

何もかも嫌になって夜中に家を飛び出しても、福しんのカウンターがある。

牛丼チェーンの椅子にはない、暖かさが福しんにはある。

それはラーメンが暖かいからなのか、レバニラを炒める炎があるからなのだろうか。心が冷え切っていたので、目一杯あたたかいニラそばを頼んだ。とっても普通な味がした。それでいいんだ。
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花太郎も金太郎も独りになれる。マンガ喫茶も独りになれる。でも独りになりすぎる。
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福しんのカウンターは、独りが一人じゃないんだ、みんな独りなんだという確認作業ができる。

独りの人はスナックに行くのがいいのかもしれない。でも僕はカラオケが嫌いだ。ママとも話したくない。だから福しんがちょうどいいんだ。

でもそんな福しんのカウンターは、15分もいれば食べ終わってしまう。ここは長居するところではない。だからタバコが嫌いでも、23時までは1パチに座る。ここもみんな独りだ。そしてみんな独りなんだってことを確認できる。
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言葉を選ばす書けば、こんなにたくさんクズの仲間がいるってことを確認できて安心する。正月から行くところもなく閉店までパチ屋にいるとか尋常じゃないし、もしかしたらここにいる人達は望んで副流煙を浴びて長生きしたくないのかもしれない。

今日、会社の近くの歩道橋で首を吊った人がいた。元フジテレビの議員が入水したニュースも流れた。

この年になると、生きたくても生きられなかった友人が何人もいる。気持ちはわかるけどやっぱり生きなきゃいけない。

だから、辛いことがあったら福しんのカウンターに行ってみてほしい。

孤独の連帯感に不思議と心が癒されることもあるから。

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