就活生は全員読んどけ「日本で働くのは本当に損なのか/海老原嗣生」

読書感想文
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就活生、並びに4月から新社会人になる諸君、これは読んでおいたほうがいい。

日本で働くのは本当に損なのか (PHPビジネス新書)

海老原嗣生 PHP研究所 2013-10-19
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by ヨメレバ

ブラック企業、終身雇用の崩壊、うつ病の増加……。それでも滅私奉公を続けますか?
なぜ日本人は、上司や会社の悪口を言うのか、なぜ日本人は、なかなか転職しないのか、なぜ日本では、女性活用が進まないのか―欧米型雇用と比較して日本型雇用の本質を鋭く分析し、まことしやかに信じられている常識を覆す。学生から、管理職まで、企業の雇用問題を知る上で必読の一冊!


海老原さんにはニコ生BLOGOS就活生向けシンポジウムなどでお世話になりましたが、とっても面白い方。ディレクターやりながら話聴きこんじゃってスイッチング(カメラの切り替え)が遅れるほどw

この本では、若いうちに知っておきたかった昇進の仕組みや、「能力主義」の正しい意味、日本型雇用と欧米型雇用の誤解と本質がギューーーーーっと詰まってます。

海老原嗣生
海老原嗣生さん(撮影:野原誠司)

実力次第で二十代がトップになるってことは…

「二十代でトップ」って良さそうに聞こえるけど、入社してすぐの社員に抜かれちゃうような先輩しかいない企業って、選んじゃダメだと思うんですよ。

「若いうちに天下が取れる」「実力次第で二十代でもトップに」という企業は、習熟のいらない仕事。3年目と10年目の売上が2倍以上違ってくる仕事は長期熟練が必要。そういう業種には年功序列の日本型雇用がマッチする。

言われてみれば、2年目で営業トップに!って職種は、人を育てる必要がなく、その人の素養に左右される仕事。いくらでも代わりが見つかるから使い捨てされる可能性も高い。逆に10年かけて1人前みたいな銀行や商社、メーカーなどは人を育てる。若くして仕事を任されるってことは、だれでも出来る仕事だってことだもんね。

…入社2年目で番組持たせてもらった時は気が付かなかった!だれでも良かったんだ!(そりゃまぁそうだ)

もちろん、2年目で営業トップになって5年目で独立!みたいなキャリアプランは否定しません。若い子は夢を持たないと。でもまあ、どうせなら手塩にかけて育ててもらって、一人前になってから辞めたほうがお得だと思いません?僕たちはガンダムのジムなんですから。

異動は悪いもんじゃない

就活中、20歳のぼくは番組制作以外のことはやりたくないと思っていました。異動も転勤もしたくないし、人に頭下げる営業なんてまっぴらだ!と。若いですね。

大学の専攻ですべてがきまってしまうのは、人材の一面しか見ていない登用法といえるでしょう。入口では何に向いているか、分からないのが仕事というものです。異動による社内再チャレンジで、一番適正のあるところに再配置されていく。この仕組みはかなり合理性が高いのです。

人事異動は、だいたい二年か三年に一回あります。自分と上司や先輩、両方に異動が起こるので、組み合わせが変わる確率は二倍になります。つまり、一年か一年半我慢していると、どちらかが異動になる。上司や先輩とのリレーションが悪くてダメだった場合も、こうやってまず救済されます。

異動がないと、嫌な先輩や上司も変わらないんですよ。これは学生時代には思いつきませんでした。相当なリスクですよコレw。逆に、ウマの合う仲間が異動でいなくなるってこともあるんですが、いろんな部署に気持ちが通じ合う仲間が広がっていくと、後々ものすごい財産になるんですよ。ミスった伝票をこっそり直してくれる経理、社内事情を教えてくれる人事、スポンサーに一緒に謝りに行ってくれる営業。異動あってこその横のつながりもあるのです。

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欧米型雇用に憧れすぎ

日本型雇用は働かないおっさんたちが若者たちから搾取している、欧米型雇用は実力主義で素敵というイメージがありますが、欧米型雇用だと、おっさんたちが低賃金でいい仕事し続けちゃうから、若者に仕事が回ってこないという驚愕の事実。

欧米では一部のエリートと、抜擢された優秀者たちが階段を上がり、超高給になっていくのですが、大方の人たちは、一生管理職になれず、大きな昇給もありません。二十年以上も営業や事務処理や品質管理などの「実務」をこなし続けるベテラン層がたくさんいます。その彼らを、若手と大した給与差なく雇えるのです。としたら、若手など雇わず、こうした「おじさん」たちを雇い続けるでしょう。

そこで、欧米では若年採用が極端に少なくなるのです。結果、日本と比べて若年失業率が二~三倍は当たり前、ひどい国だと五倍以上の数字を示すことになる。

これはまいっちゃいます。日本に生まれてよかったー!って叫んじゃいますね。もちろん、働かないおっさんを抱える日本型雇用の問題点もしっかり分析されています。続きは本でw

この他にも、ブラック企業や若者の使い捨て、女性の社会進出が進まない理由など、とってもわかりやすく書いてあります。ハードカバーの本が長くて読めないぼくが理解できたから安心して。

ということで、就活生は外資企業に無駄に憧れたりせず、社会の現実を知るために。新社会人は間違っても配属先が希望と違うから辞めちゃうなんて事のないように読んでおいたらいいんじゃないかな!

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