“企画は、ひと言。”
企画は、ひと言。
石田章洋 日本能率協会マネジメントセンター 2014-05-30
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この本を「ひと言」で言うと
「放送作家が会議で企画を通すテクを惜しみなく披露した本」
ってところでしょうか。
ボクも20代のころは放送作家さんとあーでもないこーでもないと会議室に缶詰になっていたので、もっと早く書いてくれれば良かったのにー!っと思った一冊でした。
著者の石田章洋さんは、三遊亭楽太郎(現圓楽)師匠の一門出身で伊集院光さんの兄弟子に当たるそうです。
企画はどうやって作るのかという基本の「き」から書いてあるのでクリエイティブ系の仕事をしている若手には「マニュアル」として重宝すること間違いなし。
話すなら10秒以下、文字なら30字以内
この本で言う「ひと言」ってのは30文字以内で、という意味だそうで。
「会いにいけるアイドル」:AKB48
「地球にやさしいエコカー」:プリウス
こういう「ひと言」をどう生み出すかということが具体的に書いてあってわかりやすいのでご紹介。
◇「ひと言」をつくりだす3つのステップ
・なんのために・なにを・どうする
任天堂「Wii」
なんのために→ユーザーを拡大するために
なにを→新しいゲームを
どうする→家族で遊べるものにするAKB48
なんのために→新しいアイドル像をつくるために
なにを→アイドルを
どうする→会いに行ける存在にする旭山動物園
なんのために→動物本来の姿を見てもらうために
なにを→形態展示を
どうする→行動展示にする
自分のやりたい企画をまず、「なんのために・なにを・どうする」に当てはめてみる。基本ですね。近頃は企画書を書くよりもらうことが多くなりましたが、この「なんのために」がぼんやりしてる事、ホント多いです。
著者曰く、企画とは「世界を進化させるもの」
「なんのために」を考えるということは「今、足りないもの」「今、不便なもの」「今、不満なもの」、つまり「今、欠けているもの」に想いを馳せ、その欠けている空白を埋めて世界をよくしたいと思うこと
すばらしいです。
でもつい「数字を取るため」「売上のため」だけに企画書書いちゃうんですよねぇ。世知辛い。
他にもノウハウ満載。
コピー書きの具体的なテク
◇3つのCを武器にせよ 「Compare(たとえる)」「Can」「Change」
「Compare(たとえる)」……( )な(ような)( )
ポケットに入る(ような)大容量タイプのデジタル音楽プレイヤー
iPod「Can」……( )できる( )
会いに行く ことができる アイドル
AKB48「Change」……( )を( )に
携帯展示から 行動展示に
旭山動物園
コピー書きの具体的なテクニック。メモしておきましょう。
そしてプレゼンにも応用できる企画の通し方、人への伝え方もとてもわかりやすく解説されています。
◇伝え方の黄金パターン
「!?→?→!!!→!!の法則」(ナナヘソナスの法則)なになに!?-つかみ
なぜ?-目的、意識
へえ!そう!なるほど!-確信
スッキリ!!-納得、念押し
企画書のいろはです。この辺りもしっかり覚えておきたい所。
「企画はひと言。」簡単なようで難しい永遠のテーマ。
2002年、「土屋礼央のオールナイトニッポンr」というロケ番組をやっていた時に、先輩の森ディレクターが立てた
「埼玉で海開き」
という企画が忘れられません。
中身は・海のない埼玉県で・当時アイドル的人気だったRAGFAIRの土屋礼央が・全裸で日焼けサロンから放送。というもの。天才だったなー、森さん。
(※追記「埼玉で海開き」は”元気が出るテレビ”のパロディーだったそうです!)
ボクがひと言で通した企画は鈴木宗男さんの秘書として当時ブレイクしていたムルアカさん(209センチ)の
「世界一の高い高い」
くらいかな。
なんのために→公開録音の会場で家族連れと触れ合うために
なにを→お客さんの赤ちゃんを
どうする→ステージにあげて3メートルの高さで「高い高い」する
ムルアカさんに「高い高い」してもらいたい赤ちゃんを募集して、公開録音のステージで実演するという単純明快なもの。手を伸ばすと3メーター近い高さになりますからね。企画書提出して5秒くらいで採用された記憶ある。
企画のお仕事全般に使える良マニュアルだと思います。新入社員の君もぜひ。
企画は、ひと言。
石田章洋 日本能率協会マネジメントセンター 2014-05-30
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