僕はAMラジオで育ちました。
そして今、AMラジオで番組を作っています。
連日、ライブドアのニッポン放送株取得問題で大賑わいですが、
そもそも、ライブドアもフジテレビも、
ニッポン放送自体には、何の興味もないんじゃないでしょうか。
フジテレビが欲しいライブドアと、
厄介ごとに巻き込まれたフジテレビ。
元を正せば、フジテレビがTOBを始めたのも、
ニッポン放送経由で村上ファンドに経営に口を出されるのを防ぐための措置。
別に誰もAMラジオという業務に魅力を感じている訳ではないんでしょうな。
ケーブル・CSがあって100チャンネル時代のTV。
インターネットにつなげば聞こえるラジオの数々。
そして音のよいFM。
その中で、未だ昔どおりのAMラジオ。
堀江社長は「AMに未来はある」みたいな事を言っていましたが、
現場の僕は「ない」と思います。
AMラジオが好きだーーー!っていうスタッフが、
やっぱりAMが一番落ち着くーっていう少数の人やAMで育った中高年に対して
時間帯全局聴取率10%を取り合う世界。
10人に1人が多いのか少ないのかはわかりませんが、
年々その数字も落ち続け、子供達のラジオ離れは進む一方・・・
例えるならば、「私はCDよりアナログレコードが好き」
というお客さんに対して、「アナログは音が暖かいだろう?」
とパイプをふかしながら笑顔で答えるレコード店の主人のような。
でも、AMの人たちは二言目にはこう言います。
「災害にはラジオ」だと。
・・・携帯でTVが見られる時代なのですが・・・
あ、FMも聞けるのか。携帯で。
阪神淡路大震災から10年。
こんなにも携帯電話が進化するとは思いませんでした。
新潟にも地震の取材で行きましたが、ド・モ以外の携帯は
意外にも使えたそうです。
安否確認に大変便利だったと。
もう、「災害にはラジオ」なんて言っていられる時代じゃないんです。
来年にはすべての携帯でTVが見られるかも知れません。
僕はAMラジオが好きで、この仕事に誇りを持っていますが、
伝統工芸品の職人のような気分になる時もあります。
だって都内で聞くと雑音だらけなんですもん。AMラジオ。
堀江社長の下で働く気にはあまりなれませんが、
このままでは「マス・コミュニケーション」ではなく
「AMラジオ=趣味」に成り下がるのは時間の問題だと思います。
新しいこと、始めましょうよ。