ラジオ聴取率が史上最低を更新 10代はradikoで微増も60代が次々と調査対象から消えていく

ギョーカイ話
スポンサーリンク

2017年8月度の首都圏ラジオ聴取率調査の結果が出ました。ビデオリサーチさんのプレスリリースより。

02

セッツインユース 史上最低の5.2%

何と言っても衝撃なのは、セッツインユース(ラジオ全体で聞かれている数字)が、史上最低の5.2%まで落ち込んだこと。男女の12-69才週平均ってのが全体の数字です。

56(出典:ビデオリサーチ

それこそ昔は番組単体で5%、なんて時代もありました。それが今や全体で5.2%。末期的です。時系列で数字を追ってみましょう。

17

1年前と比較して、全体が6.5%から5.2%へと低下しています。一番減少が激しいのが50-69才というラジオ文化を支えるボリュームゾーン。これがどういう事かというと、今年5月にインタビューしたTBSラジオの入江社長が説明してくれています。

ラジオはどうしても高齢者に依存していて、大きな分水嶺があるのは、テレビが登場する前のラジオを知っている人とそうじゃない人。ちょうど団塊の世代、65歳くらいでキレイに分かれます。

テレビが我が家にやって来た日を知っている人は、生まれたときにラジオしか放送メディアがなかったわけです。ラジオの聴取率調査は12歳~69歳までが対象ですから、あと4~5年でその世代がいなくなってしまうんです。 – 生き残りを懸けたTBSラジオのネット戦略 目指すは「真のターゲットメディア」 【入江清彦社長インタビュー】

つまり、ラジオを聞いているお年寄りは減ってないかもしれませんが、続々と70歳になって調査対象から外れていっているのです。こうやって数字を見ると切実に感じます。そしてこのラジオ好き世代があと5年でゼロになるという恐怖。時限爆弾です。

では10代の数字はどうでしょう。1.2から1.4に上昇しています。全世代で一年前と比べて唯一上昇してるのが10代です。これはもう明らかにスマートフォンでラジオが聞けるようになったからに他なりません。

radikoはムダじゃなかった。 関係各位ご苦労様です。さらにradikoでは試験的にですがNHKラジオも聞けるようになります(現在はNHK専用アプリで聞ける)。

ラジコでNHKラジオを配信へ、10月2日から期間限定で実験的に提供

焼け石にお湯といえばそれまでですが、このままではセッツ5%割れは時間の問題。ラジオ各局も公式で文字起こしのニュースサイトを作ったり、あの手この手と生き残り策を模索していますが…。

日本は世界一ラジオ離れの進む国

世界的に見ても日本人のラジオ離れは圧倒的。66%の人が「利用していない」と答えています。

image_01(出典:マクロミル

時刻表通りに電車が来て、車通勤が少ないというお国事情もありますが、よくラジオの営業資料には「首都圏人口3500万人で聴取率1%は35万人」と書いてあります。電車通勤で聞いてないのに。

ちなみに日本で一番ラジオが聞かれているのは沖縄県です。モノレールしかない車社会だから。

いや、radikoがあるじゃないか!というみなさん。radikoの規模ってご存知ですか…?ちょうどこの数字が出た日と同じ日のプレスリリースによると、

現在、ラジコは、民放ラジオ86局と放送大学が参加し、月間ユニークユーザー数1,000万人、日間ユニークユーザー数 100 万人を超えています。また、2014 年 4 月開始の『エリアフリー聴取(ラジコプレミアム)』(有料/配信エリア外聴取)のプレミアム会員数は約 44 万人(2017 年 9 月現在)、さらに 2016 年 10 月開始の『タイムフリー聴取』(無料)の実証実験は、月間ユニークユーザー数約 240 万人(2017 年 9 月現在) となっています。- http://radiko.jp/newsrelease/pdf/20170920_001_pressrelease.pdf

UU月1000万人、デイリーで100万人とのことなんですが、例えば、ラジオ史に残るSMAP中居正広のサムガールSMAP最終回を聞いていたのが「通常の2倍」で3万件。

パーソナリティーを務める中居正広が番組の最後に「慎吾ー!! 剛ー!! 吾郎ー!! 木村ー!! SMAP!! じゃあねー!! バイバーイ!!」と叫んだことが話題に。リスナーからのはがきは、放送1週間で通常の5倍となる約5000通が届いた。スマートフォンなどで聴ける「radiko」でのストリーミング数は通常2倍の約3万件だった。産経新聞

文化放送で記録を打ち立てた、KinKi Kidsの特番で2万5千回。

このシェアは同社歴代1位の記録。特番中の最高再生数は24時02分で、2万5399回を記録した。瞬間最高シェア59・17%、QR歴代1位の記録に 文化放送、KinKi Kids 20周年特番、ラジコ再生数がトップ

W杯出場をかけたサッカー日本代表戦で1万1000回。

中継では、キックオフとなった午後7時35分から試合終了の同9時25分までの間、再生数が関東エリアでトップを維持。瞬間最高シェアを記録したのは、試合終了直前の9時24分で、1万1076回、40・47%だった。ー小柳ルミ子も日本代表に涙、ラジオ瞬間40・47%

正直、ニコ生レベルなわけで、 とてもじゃないですが、スポンサーがお金を出す数字には程遠いわけです。計算してみたんですが、KinKi Kidsの場合2万5399回でシェア59.17%ってことは、正確にはシェアと再生回数は別物ですけど、radiko全体の再生数はだいたい42925回。サッカーの場合は1万1076回が40.47%とすれば27368回くらいなんでしょう。(計算方法ちがったら誰か教えてください…)。デイリーで100万人がアクセスする割には少なく感じるのは僕だけでしょうか。

Abema TVの最高記録が「亀田興毅に勝ったら1000万円」の1420万アクセス。 アメーバ界王拳を差し引いて話半分でも700万アクセスくらいあるとして、YouTubeライブの同時接続は73万人。

AbemaTV親会社のサイバーエージェントによると、この番組の再生回数(アクセス数。1人が複数回アクセスした場合も加算)は1420万。これまで最多だった、お笑いコンビ「極楽とんぼ」の24時間生放送(3月4日配信・360万再生)の約4倍にものぼった。番組はYouTube LiveやFacebook、Twitterでもライブ配信しており、YouTube Liveでの同時接続数は73万人だったという。- 「亀田興毅に勝ったら1000万円」AbemaTV史上最多アクセスでサーバダウン

あまりにも規模が違って震えます。 ヒカキン君の動画だって1日で何百万回も再生されるのに…。

radikoで若者にラジオブーム再び!みたいなこと言ってる場合じゃありませんから。

タイトルとURLをコピーしました