2016年4月14日、熊本県熊本地方を震源とする熊本地震が発生。震度7という激震は前震にすぎず、16日にはさらに大規模な本震が起き、熊本県や大分県に大きな被害をもたらしました。
あれから7ヶ月。震災の現場を自分の目でまだ確認していなかった私は、LCCのセールで、成田-熊本1980円の航空券をゲット。被害の大きかった熊本県益城町へ向かう予定を立てていました。
そんな折、長年一眼レフを愛用しているNikonがアクションカム市場に参戦。そのラインナップの中から、4K高画質撮影ができる360度カメラ「KeyMission 360」を貸してもらえるというお話をいただきました。
被災地・益城町の現状を360度カメラで残しておきたい。
直感的にそう思った私は360度アクションカムを手に熊本県益城町へと向かいました。(2016年11月9日・10日取材)
熊本県益城町は熊本空港からわずか10分ほど、人口3万人ちょっとの町です。市中心部まで車で30分ほどという好立地から熊本市のベッドタウンにもなっています。
2004年の中越地震、2011年の東日本大震災で地震の被災地というものは何度も取材してきましたが、熊本大地震の被害に遭った益城町の状況はどこのものとも違っていました。
震災から7ヶ月。街はまだまだ瓦礫の山です。斎場益城会館の川端さんに案内され、益城の街を歩いてきました。360度動画で街の様子をご覧ください。左上の矢印を操作すると、360度好きなアングルでご覧いただけます。
前震で建物がダメージを受け、そこへ震度7の本震。家屋の1階部分が2階の重みで押しつぶされた家々が解体の順番を待っています。
立派なお屋敷ほど、豪華な瓦屋根を使っていたため、1階が支えきれず潰れてしまったとか。
こちらの建物は上の階が崩れ、停めてあったキャンピングカーが支えになって崩落を免れています。
一番衝撃的だったのが木山神宮。
本殿の建物部分がペッシャンコです。見事な屋根瓦ですが、その重さに柱が耐えきれなかったのでしょう。
灯籠は倒れ、石段も崩れている参道。鳥居も完全に崩れ、狛犬も台座から落ちてしまっています。
こちらは避難所になっていた益城町総合体育館。
地震で波打った地面がそのまま残されていました。震災時に運転していた方によると、道路がうねるのを目の当たりにしたそうです。
益城町復興市場・屋台村。震災で店舗が使えなくなってしまった近隣の商店が仮設の商店街に集まり、屋台村を作りました。
壁一面には応援のメッセージが。
「がんばってるョ、すごくがんばってるから、あんまりガンバレガンバレ!っていわないで」
東京から無責任に被災地復興ガンバレと言っていた自分たちには考えさせられる一言です。
川端さんにお礼を言い、レンタカーを運転して熊本市内へ。この日の宿泊は豪華にANAクラウンプラザホテル。
いつもはこんな豪華なホテルに泊まることはありません。でも、「九州ふっこう割」という補助金制度のおかげで1泊2万円ちょいのこの部屋も、1万円引きで泊まることができたのです。
窓からは熊本の夜景を独り占め。益城町から車でわずか30分。熊本市内は日常の風景。この温度差には面食らいますが、経済を回すことが復興につながります。
2日目 熊本城
翌日は熊本城へ向かいました。石垣が崩れ、柱がむき出しになっているところも。
熊本城内、加藤清正公を祀っている加藤神社へ。
こちらもいたるところに震災の爪痕が残っています。
熊本城の復旧工事で大変なのが石垣。全て同じ位置に戻さなければならないため、石一つ一つがナンバリングされ並べられています。復旧には20年かかるとか…。
そして、熊本城撮影中にハプニングが。 アスファルトにカメラ落とした…。やってもうた…。あああああ。借り物なのに…。
恐る恐る拾い上げると本体はカバーのお陰で無事! フィルターは傷ついたけど全然動く!頑丈!さすがアクションカム!
KeyMission 360をじっくり使ってみて
さて、Nikon初のアクションカム「KeyMission 360」を使った率直な感想です。
公式スマホアプリ「SnapBridge」と連動して、撮った画像を確認したり、リモートでシャッターを切ったりできるんですが、感覚を掴んだら画面なんか見なくていいです。だって360度全部撮影してくれるんですから。
高画質のアクションカムとしては大変優秀なので、プレビューなど気にせずに通信OFFの機内モードにして電池消費おさえて1分でも長く撮影したほうが吉。
一つポイント。設定の風切音カットは必ずオンにしておきましょう。
編集用のソフトは無料ダウンロードできます。是非活用してください。
動画をアップしてからYoutube上で編集しようとすると、360動画として認識しなくなってしまうのでご注意を。
自転車につけたりヘルメットにつけたり、いろんな楽しみ方のできるアクションカムですが、今回、益城町の今の風景を360度動画で残せたのは本当に良かった。地面、空、ガレキ、動画を見直してみると、自分で想像していた以上の風景が映し出されていました。
普段はファインダー越しに自分の見た風景を切り取りますが、360度カメラは自分の見えていない背中側も足元も記録してくれて、動画を見ながら新しい発見をすることができます。
そしてすっかり報道されなくなってしまった熊本地震ですが、現地ではまだまだ復興が進んでおらず、長いスパンで支援が必要なことを痛感しました。
被災地支援も兼ねて、熊本旅行に是非行ってみてください。 馬刺しも熊本ラーメンも最高ですよ!
あなたの残しておきたい風景はどこですか? 旅のお供に360度カメラ、新しい時代になった気がします。
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