おはこんばんちは。たのっち(38歳既婚、息子小1)です。私は今、フィンランドのヘルシンキ空港に人生初のビジネスクラスで向かっています。
英国政府観光庁(@VisitBritain_JP)とフィンエアー(フィンランド航空)が主催する「VisitBritain&Finnair Bloggers Trip」に参加させてもらっているのですが、最初お誘いをいただいた時は耳を疑いました。
「フィンエアーのビジネスクラスで、英国に行ってみませんか?」
び、びじねすくらす、ですって!?
ビジネスクラスといえば空飛ぶホテル。会社の役員が経費削減など顧みず、はっはっはーと乗るイメージしかありません。
しかもフィンエアーはファーストクラスがないので、実質最上級のグレードになります。お値段は時期や混み具合によって変わるらしいですが、一番高い時期だと、1フライト(往復)115万円もするそうです。軽自動車買えるやんけ!
そんなビジネスクラスに乗るなんて、一生ないだろうなと思い、今こうやって異常に快適な広々としたシートで原稿をしたためています。生きててよかった。
ビジネスクラスには、ドレスコードがある
事前のミーティングで最初に言われたのが、「ビジネスクラスにお乗りになる際には、ちょっとだけ身なりを気にしてくださいね。たとえばTシャツ短パンとかで乗るのはやめてくださいね、航空機から降ろされちゃいますよ。(笑)」との一言。
え、乗り物にドレスコードなんてあるのか!
きっと多くの人は、新婚旅行で初のビジネスクラスを体験して、その時に知るのでしょうが、私は新婚旅行が沖縄だったので、ビジネスクラスの事を調べたことすらなかったんです…。
そこで今回は、私のように「初めてビジネスクラスに乗るけどわかんない!怖い!」という人のために、フィンエアー広報の高泉さんにビジネスクラスのお作法と、機内の楽しみ方をたっぷり聞いてきました。決して席が隣で長時間フライトが暇だったからおしゃべりしていただけではありません。
-フィンエアー広報・高泉さん-
ドレスコードは「ビジネスクラス」という空間のため
2016年1月27日。成田空港第2ターミナルのフィンエアー乗り場で待ち合わせ。事前に高泉さんから、「ボロボロに破れたジーンズとか、いかにも泥まみれのスニーカーっていう靴はダメですよ」と釘を差されていたので、急遽ユニクロで買ったチノパンと、政治家担当で永田町を歩き回っていたころの革靴に見えるウォーキングシューズを引っ張り出してきました。
た「おはようございますー。」
高「おはようございます。今日からよろしくお願いします」
た「いきなりですが高泉さん、この服装で、ビジネスクラスに乗れますでしょうか…」
高「うわー。うーん。まあ大丈夫、ですね…」
た「マジすか!ギリすか!ZOZOのバーゲンで買ったティンバーランドのジャケットじゃダメですか!」
高「うーん、できれば襟付きシャツを着てきてくれると嬉しいなと、お伝えしたような気がしたのですが…」
た「!!!!」
そうです、ジャケットに気を取られ、Vネックのカットソーで来てしまいました。しまった…。
しかし、ここで天才的なアイディアが降りてきたのです。
た「……コートを着て、首元を隠したら襟付きかどうかわからないですよね」
高「あ、それならOK、でもまあ、その服装でも大丈夫ですよ。」
ということで、冬場はコートとマフラーがあれば、乗るときはなんとかなることが判明しました。
た「これ、コートの下がTシャツ1枚だったらどうなります?」
高「うーん。乗ったあとに降ろされはしないでしょうけど…。そもそも、ドレスコードというのは同じビジネスクラスに乗るお客様のことを考えてのことなんですよ。パーティーと一緒で、みんながちゃんとした格好をしているのに、1人だけサンダル、Tシャツの人がいたら場の空気が壊れてしまいますよね?」
た「なるほど」
高「時期によっては、100万円以上払って「ビジネスクラス」という貴重な空間を購入してくださっているお客様に対して、上質な空間を提供するのも航空会社の務めで、ラフな格好をしてはいけない、ということではないんですけど、みんなで特別な空の旅を楽しみましょう。ってことなんです。
た「ゴルフの襟付き厳守、みたいなことですか?」
高「スマートカジュアルが基本だと思います。いわゆる、クールビズ・ウォームビズの格好だと思ってくれれば間違いないかなあ。ジーンズTシャツで役所に出勤するひとは、あまりいないですよね、たいてい襟、付いてるような気がしませんか?(笑)」
ということでコートにネックウォーマーでビジネスクラスに乗りこむことに無事成功。ただし、乗った瞬間に「コートお預かりします」ってな感じで襟なしがバレるという始末(汗。
ジャケットのおかげで何も言われなかったですけどごめんなさい。ってか、コート預かりとかレストランかここは!
ビジネスクラスの優越感半端ない
今まで空港で気にもしてなかったんですが、ビジネスクラスって航空会社の受付カウンターはおろか、手荷物検査からすでに入り口が分かれていて、完全に特別扱いなんですよね。ビバ資本主義。
「Fast Track」こんなとこ初めて入ったわー。ぜんぜん人並んでない…。
こうしてフィンエアーのビジネスクラスに辿り着いた私、緊張の初ビジネスを楽しむコツをプロ中のプロに根掘り葉掘り聞いていきます。
乗客が合わせるのがエコノミー、乗客に合わせるのがビジネス
た「まず率直に、エコノミーとビジネスってなにが違うんですか」
高「席の広さもモニターの大きさも違いますし、アメニティももちろん違います。一番なにが違うかというと、食事のタイミングや寝る時間など、飛行機のスケジュールにお客様が合わせていただくのがエコノミークラスなんですが、ビジネスクラスはご要望があれば、可能な限りお客様に合わせます。
今は食事いいから後で、とか、今飲みたいからお酒持ってきてとか、出来る限りの事をしてくれるのがビジネスクラスですよね」
た「乗った瞬間にウェルカムドリンクでシャンパン出てきたんですけど。しかもグラスで」
高「はい、そうですよね」
た「しかも、離陸が近づいたら、スッとグラスが下げられて、紙コップに入れなおして持ってきてくれた」
高「もしかすると、こぼしちゃうかもしれませんから」
た「いきなりのおもてなしぶりに緊張は高まるばかりなのですが」
高「CAとの距離が近いのもビジネスのいいところです。常に目が届く位置と客席数ですので、かゆいところに手が届くようになっています。気軽に話しかけてコミュニケーションを取ると、空の旅がグッと楽しくなるかもしれませんよね」
マリメッコデザインが可愛すぎる
ではフィンエアービジネスクラスの座席をご覧頂きましょう。フィンランドを代表するブランド「マリメッコ」とコラボしたデザインのクッション、スリッパ、アメニティポーチがお出迎えです。
足元広っ!
マリメッコポーチの中身は、アイマスク、歯磨きセット、スキンローションにリップクリームに耳栓。
モニターもエコノミーより大きくて見やすい!
ヘッドホンはもちろんノイズキャンセリング。「グオオオオオオ」というエンジン音も気になりません。
足元に靴を入れるスペースがある…。至れり尽くせりだな…。
シートベルトもクッション付き。こんなのあるんだ…。
肩の上にはスポットライト。
高泉さん曰く、ビジネスクラスはエコノミークラスと違って、食事の後の明かりも暗めになっており、寝やすい環境なんだとか。なので、機内で仕事や読書をする人用に、個人用の照明が充実しているんですね。さすが「ビジネス」。
電源とUSB充電ポートは別々に用意されています。クッソ便利です。
そして、頭上の荷物入れも1人1つ。これは地味に嬉しい。
こんなにスッカスカ。贅沢ww
おいおい…座席にマッサージ機能までついてるぞ。どうなってるんだマジで。
高「ビジネスクラスの特徴特長、あとなんでしょうねー。座席がベッドのように180度フラットになるのもいいですよ」
これが噂に聞いていた180度フルフラットシート。ブランケットもマリメッコ。ホテルだよホテル。
見上げるとこんな景色。どうだ、これが成功者の見る風景だぜ…最初で最後だけどな…。
高「そうそう、各席が通路に面しているのもいいですね、隣のお客様を気にせずお手洗いに行けますから。あとは「安心」かなあ。まわりにいる人は、みんなビジネスクラスに乗っている人っていう、なんとも言いがたい安心感がある気がします。信頼しあってるみたいな」
わかる。わかるわー。言葉にごしてますが「上質なお客さんしかいない」ってことですよね。エコノミーで大阪のオバチャンの集団に囲まれたり、ややこしそうな方に挟まれたり、そんな経験いっぱいありますもん。
食事のクオリティ半端ない
ウェルカムドリンクのシャンパンに始まり、飛行中ずっと食べ物/飲み物が出続けると言っても過言ではなかったフィンエアーのビジネスクラス。
熱~いオシボリから始まります。ここは機内だぜ。
まずシャンパンは「Nicolas Feuillatte Brut Grand Reserve」。
うんちくを読みながら飲むと、「ほほう、たしかにクリーミーな舌触りだ」と、わかってないのにわかった気分になれます。
高級そうなお通し(アミューズプッシュ)出てきたw
本日のコースはこちら。前菜もメインも2種類から選べます。
前菜は「鮭のパテ シーフードプティフール添え、ビーフパストラミ、お野菜」をチョイス
ほかほかのパンがサーブされてきた…。完全にレストランですよ。
種類もいろいろ。手前のクラッカーのような薄いのはフィンランドの「ハパンコルプ」というものだそうです。パリッパリで美味しい。
メインは一番人気だという「鮭のグリル 蟹あんかけ、がんもどきと野菜の煮物」。
デザートはチーズ盛り合わせに…
ハーゲンダッツ。チョコを添えて。ミニケーキは食べきれそうになくて辞退。
ソムリエ厳選のワイン
フィンエアーはワインに力を入れていて、ソムリエが銘柄をチョイスしているそう。
高級ワインが次々と注がれていきます。
中でも、デザートワインが凄かった。「これは飲んで欲しいワインです」と高泉さん。
「Maynard’s 20 Years Old Aged Tawny Porto」国内ではなかなかお目にかかれない品。
貧乏くさい言い方ですが、全部飲み放題ですw
さらに座席中央付近にドリンクバーがあり、スナックに果物、ケーキだって食べ放題。
日本では見たことのない、チリソース味のカップ焼きそばも。日清食品ってこんなの作ってたんだ。
空の上ではアルコールの威力半端ない
実は飛行機に乗る前に、成田のビジネスクラスラウンジでルービーを頂いていたので、
- ビール
- シャンパン×2
- 白ワイン
- デザートワイン×2
- コニャック
と、だいぶ欲張ってしまいました。貧乏性っていやねえ。
7杯飲んだ結果どうなったか。
頭痛いwww
機内は気圧が低いため、地上よりアルコールが回ります。しかもワインが美味しくてスイスイいけてしまうので、お酒の強い方も充分お気をつけ下さい。
原稿の締め切りを2本抱えていたので、機内で寝る予定はなかったんですが、せっかくのフルフラットシートなので、1時間ほど寝かせていただきました…。寝心地最高…。
ビジネスクラスを最大限楽しむコツ
最後に、高泉さんにビジネスクラスを最大限楽しむコツを教えてもらいました。それは…。
「起きていること」
最高のシートで最高のおもてなしを受けられる環境なので、好きな本を読むもよし、映画を楽しむもよし、食事を楽しむもよし。そんな時間を、たっぷりと味わって下さい。
高「フルフラットベッドの座席ですので、寝たら、起きられないですよ(笑)」
これが航空会社のプロが明かすビジネスクラスを楽しむコツでした。
皆さんも飲み過ぎて寝てしまわないように注意しましょう。
ビジネスクラスの心得
- ビジネスクラスのドレスコードはスマートカジュアル
- 高級ワイン飲み放題だけど機内は酔うから気をつけろ
- せっかくなので起きておけ
ちなみに、ヨーロッパにいくならフィンエアーが最短です。今回のフライト、成田ーヘルシンキは約9時間半。あっという間に着きました。せっかくのビジネスクラスなのでもうちょっと長くても良かったなw
以上、人生初のビジネスクラス搭乗記でした!
両親が生きてるうちにプレゼントしたろかな。
そして…。実はこのフライト中に機長のはからいで、とんでもないサプライズが起きたのですが、それはまた、別のお話。
【驚愕】シベリア上空を飛んでる旅客機のコクピット内を見学してきた【動画あり】 : たのっちのぶろぐ
【追記】ANAのビジネスクラスはこんな感じでした。
・ANAビジネスクラス初搭乗レポ 機内食とフルフラットシートで大人になってきた